中学生・高校生のための数学教室

数学を学びなおしたい方も大歓迎(^.^)

第1章 式の計算 2 因数分解


第1章 式の計算


2 因数分解


0 因数分解


みなさんこんにちは。今回のテーマは因数分解(いんすうぶんかい)です。

なんか難しそうな名前ですね。

実際ちょっと難しいです。でもそれは慣れるまでの話で、

慣れれば簡単なので、ここでしっかり頑張っちゃいましょう!!


まず“因数分解”とは何か?から話を始めると、因数分解とは展開の逆です。

「えっ?何それ?」と思うかも知れませんがとにかく“展開の逆”です。

例えば、(x+2)(x-5) を展開すると、

x^2-3x-10 ですね。

これはもうOKでしょう。

このとき、『x^2-3x-10 を因数分解せよ。』といわれたら、

(x+2)(x-5)』と答えるのです。

つまり、『 x^2-3x-10 を因数分解せよ。』とは、

『展開したら x^2-3x-10 となるものは何でしょうか?』ときかれているのです。

だから、
(x+2)(x-5)』と答えればOKなわけです。

ではどうやって、展開したら x^2-3x-10 となる式を見つければよいのでしょうか?

これを、これから説明していきます。


因数分解の解き方は大きく分けて次の2つがあります。



● 因数分解の解き方 ●

1.共通因数のくくり出し     2.公式の利用



問題の形によってこの2つを使い分けるのですが(問題によっては両方使う)、

まず大切なことは1→2の順番で考えるということです。

つまりどんな問題でも、まず1の「共通因数のくくり出し」を使い、

その後に2の「公式の利用」を考えます。

このことはとても重要なのでしっかり頭に入れておいてください。


では、この「共通因数のくくり出し」から説明していきます。


1 共通因数のくくり出し


1.分解と因数


6x^2y6x^2y=2xy\times3x と書くことが出来ます(もちろん他の形でも書けます)。

このようにある式を \Diamond\times\boxdot の形で書くことを「分解」といいます。

そして、分解して出てきた式を元の式の「因数」といいます。

つまりこの式の場合、 2xy3x6x^2y の因数となります。

※この「因数」という言葉は、数字でいう「約数」と同じ意味の言葉です。


ちょっと難しいですかね…。では、少し言い方を変えると、

「因数とは、割り切れる式」ということです。

つまり、 6x^2y2xy で割ると割り切れますね。

だから、 2xy6x^2y の因数ということになります。


2.共通因数


では次に、ここに 6x^2y-4xy^2 という多項式があります。

この多項式のそれぞれの項である 6x^2y-4xy^2 の共通の因数を考えてみます。

つまり、 6x^2y-4xy^2 の両方を割り切れる式を考
えましょう、ということです。

まずそれぞれの数字(係数)をみると、 6-4 なので、割り切れる数は 2 となります。

次に、文字ですが、 6x^2yx が2つと y を1つ持っていて、

-4xy^2x を1つと y を2つ持っています。

なので、割り切れる文字(6x^2y-4xy^2 が共通して持っている文字)は xy となります。

よって、6x^2y-4xy^2 の共通因数は 2xy となります。


3.共通因数のくくり出し


さて、では本題の「共通因数のくくり出し」ですが、共通因数は理解できたので、

あとは「くくり出し」ですね。

まず、「因数分解」とは「展開の逆」ということを思い出してください。

そして、この「共通因数のくくり出し」は展開の「分配法則」を使った計算の逆をやることなのです。


つまり a(b+c)=ab+ac の左辺の式から右辺の式を導くことが展開なので、

因数分解は右辺の式から左辺の式を導く…つまり、

ab+aca(b+c) の形に導くことをいいます。


よって、6x^2y-4xy^2を因数分解すると、

6x^2y-4xy^2=(6x^2y-4xy^2) ←まず(  )をつける

=(2xy\times3x-2xy\times2y) ←共通因数を含んだ形で分解する

=2xy(3x-2y)  ←共通因数 2xy を( )の前にくくり出す

で、完成!!


ということで、答えは 2xy(3x-2y) となります。


ダメ押しでもう2問、例題として見せます。



例題10 次の式を因数分解せよ。

(1) 14x^2y-21xy^2+7xy

(2) \frac{2}{3}a^2b+\frac{4}{5}a^2-2a




例題の
解説・解答


(1)

14x^2y-21xy^27xy 、共通因数は

14x^2y=7xy\times2x-21xy^2=7xy\times(-3y)7xy=7xy\times1 より 7xy なので、

この 7xy を(  )の前にくくり出して、残ったものを(  )の中に入れます。

では、といてみると…

14x^2y-21xy^2+7xy

=7xy(2x-3y+1) で完成です。

※(  )の中の +1 を忘れないでくださいね。

(2)

係数が分数の問題では、まずその係数を通分してから考えます。

\frac{2}{3}a^2b+\frac{4}{5}a^2-2a

=\frac{10}{15}a^2b+\frac{12}{15}a^2-\frac{30}{15}a

そして共通因数を考えましょう。

まず分母はそのまま 15 ですね。そして分子は 2 で、文字は a ですね。

よって共通因数は、 \frac{2}{15}a です。これより、

=\frac{2}{15}a(5ab+6a-15) となり完成です。


ここで因数分解をした答えを確かめるためのポイントです。




Point

因数分解の問題は、出た答えを暗算で展開し問題の式となることを必ず確かめる。



例えば(1)では、答えの 7xy(2x-3y+1) を展開してみて、

14x^2y-21xy^2+7xy となることを確かめます。

わかりましたか?めんどくさい!などと言わずちゃんとやってくださいね。


2 公式の利用


次に公式を利用した因数分解の問題ですが、前にもいったように、因数分解の問題では

まず「共通因数のくくり出し」を考えます。

例えば、「 x^2-2x-15 を因数分解せよ。」という問題が出されたとき、

まずは「共通因数はないかな〜」と考えます。

そして、共通因数がないので、「では、公式を使おう!!」と考えます。

いいですかね。しつこいようですが、この流れを身につけてくださいね。


では“公式編”いってみましょう!!


① x^2+\Diamond x+\boxdot


この型の問題は、次の公式を使います。



[公式Ⅰ] x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)



これを見て、「展開の公式Ⅰの逆だ」と思った人、その通りです。

因数分解の公式は展開の公式を逆にしたものなので覚えるのは簡単ですね。

ただ、使い方は慣れるまで大変です。

以下の解説をしっかり理解してくださいね。


例えば、x^2-2x-15を因数分解したいとします。

これは、共通因数がないので公式を使うんだ!!それも形が x^2+\Diamond x+\boxdot だから、[公式Ⅰ]の x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b) を使うんだ!!

と思いついてください。

そして、使い方は、この公式と合わせてみると、

x^2+(a+b)x+ab

x^2\hspace{30}-2x-15 より、

a+b の部分が -2ab の部分が -15 になっています。

そして、 x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)(x+a)(x+b) の部分を求めたいので、

この ab を求める必要があります。

ではこの ab はどういう数かというと、a+b=-2ab=-15より、

かけて -15 たして -2 となる2つの数です。

ここで、かけて -15 になる2数は、

1-153-53-55-315-1

-115-35-35-53-151  の10パターンで
す。

この中でたして -2 となるのは、 3+(-5)=-2 より 3-5 だけです。

よって ab3-5 となります( a3b-5 とかは考えなくてよいです)。

これより、公式から x^2-2x-15 を因数分解すると、

x^2-2x-15x^2+(a+b)x+ab

=(x+3)(x-5)(x+a)(x+b)

となります。


解説が長くなったのでまとめますと、x^2+\Diamond x+\boxdot型の因数分解は、



かけてうしろ(\boxdot),たしてまん中(\Diamond)となる2数を見つけて、

それを(x+\bigtriangleup)(x+\bigtriangleup)\bigtriangleupのところへ入れれば完成!!



ということになります。


そして、この型の因数分解は、いかに早く、

「かけてうしろ,たしてまん中」となる2数が見つけられるかがポイントです。

これはもうたくさん練習するしかないですね…。

頑張りましょう!!


では、またまたダメ押しの例題を見せますので解き方を完全に理解してください。



例題11 次の式を因数分解せよ。

(1) x^2-22x+121

(2) a^2-5ab-14b^2




例題の
解説・解答


(1)

「かけて 121 たして -22 」となる2つの数を考えます。

かけて 121 となる数は、ちょっと考えにくいですが、 121=11\times11 より

11211111-1-121-11-11 です。

この中でたして -22 となる2つの数は-11-11なので、

x^2-22x+121

=(x-11)(x-11) となります。

ここで終わりにしたいのですが、よ〜く見ると…

(x-11)(x-11) と同じものが2つ並んでいます。こういうときは、

=(x-11)^2

の形にします。


(2)

ちょっと違う感じがしますね。

xa になっているのはいいとして、何か謎の b が紛れていますが、解き方は変わりません。

因数分解したときに(a+\bigtriangleup b)(a+\bigtriangleup b)というように後ろにb がつくだけです。

では、いきましょう。

「かけて -14 たして -5 」となる2つの数を考えます。



……(考え中)……



2-7 が見つかりました。

よって、

a^2-5ab-14b^2

=(a+2b)(a-7b)

で完成です。



では、次の型に移ります。


② \Diamond^2-\boxdot^2


この型の問題は、次の公式を使います。



[公式Ⅱ] a^2-b^2=(a+b)(a-b) ※2乗ひく2乗はたしたものとひいたもの



これは「展開の公式Ⅲ」の逆ですね。


この公式は使い方がとても簡単なので、いきなり例題で説明します。



例題13 次の式を因数分解せよ。

(1) x^2-25

(2) \frac{4}{9}a^2-0.25b^2




例題の
解説・解答


(1)

x^2-25

=x^2-5^2   ←a^2-b^2

=(x+5)(x-5)(a+b)(a-b)

で完成!!


(2)小数は分数に直して考えます。これは因数分解だけではなく中学数学、一般的にいえることなのでしっかり頭に入れておいてください。

※中学の数学では、小数を使うのは大小比較のときぐらいです。それ以外は分数に直して考えます。

\frac{4}{9}a^2-0.25b^2

=\frac{4}{9}a^2-\frac{1}{4}b^2   ←小数を分数に直した ※0.25=\frac{25}{100}=\frac{1}{4}

=(\frac{2}{3}a)^2-(\frac{1}{2}b)^2

=(\frac{2}{3}a+\frac{1}{2}b)(\frac{2}{3}a-\frac{1}{2}b) 完成!!



では次の型にいきましょう。


今度の型は[公式Ⅰ]と同様、いやそれ以上に(!)慣れるまで大変です。

気合を入れて解説を読んでください。


③ \circ x^2+\Diamond x+\boxdot型 [中学範囲外]


①の型に似ていますが、x^2の前に何かくっついている型です。この型は、次の公式を使います。



[公式Ⅲ] acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d) ※たすきがけ



この公式は展開のところではでてこなかったので、

初めて見る公式だと思いますが別に覚える必要はありません。


では、とりあえずこの公式を次の問題に当てはめてみます。


問題 12x^2+7x-10 を因数分解せよ。


公式に当てはめると、

acx^2+(ad+bc)x+bd

12x^2\hspace{30}\ \ \ +7x-10 より

ac=12ad+bc=7bd=-10 となります。

よって、こうなる4つの数 abcd を求めて、

(ax+b)(cx+d)abcd に当てはめればよいのです…………って、

「よいのです」といわれても、「どうやってこんなややこしい4つの数を見つけるの?」と思いますよね。確かに暗算でこんな4つの数を見つけるのは無理です。

ではどうしましょう?


実はこの4つの数を見つける“技”があるのです。その名は “たすきがけ”。

では、この「たすきがけ」の手順を説明しますのでしっかり理解してくださいね。



おまけの話…なぜ『たすきがけ』と呼ぶの?…それは「たすきがけセット」の中にあるが「たすき」に似ているからです。


「たすき」→


ではさらに例題を見せますので頑張って理解してくださいね。



例題13 次の式を因数分解せよ。

(1) 12x^2+7x-12

(2) 9x^2-30xy+25y^2




例題の
解説・解答




以上で公式はおしまいです。お疲れ様でした。では最後に展開と同様に数の計算への応用です。



例題14 75^2-25^2 を計算せよ。




例題の
解説・解答


説明しなくても多分わかると思いますが(?)…


75^2-25^2   ←a^2-b^2

=(75+25)(75-25)   ←(a+b)(a-b)

=100\times50   ←(  )の中を計算した!!

=5000

で完成です。